『超訳 ケインズ「一般理論」』山形浩生氏のはしがき

ケインズの「一般理論」の何が新しかったのか「第二次大戦後の経済政策」を一変させた凄み

山形 浩生

それまでの経済学は基本的に、市場が何でも解決する、と述べていた。何かが余っても値段が下がって自然に解決する、失業はすぐなくなる、と考えた。

だが本書は失業というものが一時的な過渡期のあだ花などではなく、定常的に存在し得ることを説明し、そしてそれが金利を通じてお金の市場に左右されること、さらにそのお金の市場は将来の不確実性にビビって現金を持ちたがる人々の思惑で決まってしまうという理論を、まとまった形でほぼ初めて示した。

る。

「一般理論」のアウトライン:

雇用、特に労働は名目賃金が簡単に下がらない。だから価格を通じた市場での需給調整はきかない。 2 その場合、雇用は経済全体の総需要で決まる。これが経済の供給能力より低いと失業が起きる。 総需要は、消費と投資に分けられる。 4 消費は、かなり一定だ。だから需要が十分かどうかを左右するのは投資だ。投資が足りなければ、政府が公共投資をして補うべきだ。 5 民間の投資は、投資プロジェクトの期待収益率と金利で決まる。期待収益率が金利より高いプロジェクトが実施される。 6 期待収益率は、あまりはっきりわからない。株式市場もその評価のあてにはならない。だから投資を増やすには金利を下げるべき。 金利は、人々が流動性=現金を手元に持ちたがると上がる。中央銀行がお金を刷って人々に配れば、みんな満足するので金利は下がる。 8 現金をどのくらい持ちたがるかは、実体経済とは連動しない。だから失業がなくなる水準まで金利が自動的に動いたりはしない。失業があるほうが一般的で、完全雇用のほうが特殊なのだ!

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